シャンプーに配合されているシリコンとは何か?
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ノンシリコンシャンプー シリコン
シャンプー中のシリコンが話題になったのはこの数年
こちらの図はGoogleで「ノンシリコンシャンプー」というキーワードで検索したトレンドを表しています。
この図より「ノンシリコンシャンプー」というキーワードの検索数は、2011年ごろから多くなり、2012年ごろピークを迎えていることが分かります。実際に2011年ごろから大手の化粧品会社からノンシリコンシャンプーが多く販売されました。(小さな美容メーカーからは2005年ごろからノンシリコンシャンプーの商品数は増えています。)
以前に「ノンシリコンシャンプーの販売戦略に踊らされてはいけない」という記事を書きましたが、今回はシリコンとは何かを分かりやすく解説します。
正しくはシリコーン(silicone)
(出典:信越化学ホームページ)
化学的にシリコン(silicon)とシリコーン(silicone)は別物です。シリコンとは元素の一種でケイ素(Si)のことです。シリコーンは有機基の結合しているシリコンが酸素と連なってできている高分子化合物です。シャンプーでシリコンと呼ばれているものは、正式にはシリコーンの方です。(ここでは紛らわしいのでシリコンで統一します。)
シリコンは化学的に非常に安定性の高い物質です。シリコンの生産で有名な信越化学のホームページによると、「シリコンは、200℃という高温になってもその結合が壊れることがなく、化学的に安定しており、耐熱性、耐候性に優れているのです。」とあります。
化学的に安定しているシリコンは大変利用価値が高く様々な分野で利用されてきました。
シリコンの用途は?
オイルとして
- ティッシュペーパー
- シャンプーやリンス(コンディショナー)
- 柔軟剤
- 乳液などの化粧品
上記のような商品に、伸びがよくべたつかない肌触りを実現するための分散剤としてや、摩擦係数を小さくする機能として用いられます。
ゴムとして
- 形成外科・美容整形手術の充填剤
- 酸素透過型コンタクトレンズ
- 各種シーリング剤
形成外科・美容整形手術の充填剤の例として豊胸手術などがあります。
その他
- 消化器内ガス駆除剤(医薬品)
- カーワックス
このようにシリコンは、医療業界や化粧品・日用品業界など人の体に直接触れるものから、シーリング剤やカーワックスなどの工業的な用途まで幅広く利用されています。
シャンプーやリンスへの配合目的は
シャンプーやリンス・コンディショナーなどに配合されているシリコンは、髪の表面をコーティングする目的で配合されています。シリコンでコーティングすることによりキューティクルが整えられ、髪の手触りが良くなります。
シャンプーなどの成分表記においてシリコンは、ジメチコン、ジメチコンコポリオール、フェニルトリメチコン、シクロメチコン、コポリマー(アミノエチルアミノプロビルメチコン)シリカ、アモジメチコン、シロキなどと記載されています。これらの表記があった場合、そのシャンプーにはシリコンが配合されていると思って間違いないでしょう。
シャンプーやリンスに配合されるシリコンは悪なのか?
シリコンは安定性の高い化学物質で、世界中において何十年間も日用品や医薬品などで利用されているという実績があります。
お顔に使うような高級な乳液にもシリコンが配合されています。皆さんが敏感であるお顔に対して、シリコン配合の高級化粧品を利用しているにもかかわらず、シャンプーやリンスに配合されるシリコンのみが「悪」とうのは不思議なものです。
筆者の個人的な見解ではシリコンは悪ではありません。(過去の記事も参照ください。)
ただ、シャンプーやリンスなどにおいて、シリコンの有無により洗い流した後の仕上がり感が異なります。しっとり重めが良いのであればシリコン配合のものを、さらさら軽めが良いのであればシリコン無配合のものを選ぶと良いでしょう。ただ、既にダメージヘアの人はシリコン配合の方が、髪の手触りが良くなるので、シリコン配合を選んだほうが良いかもしれません。
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