化粧品の成分表示で「ヒト遺伝子組換オリゴペプチド-1」や「EGF」という名前を見かけて、どんな成分なのか気になった方も多いのではないでしょうか。この記事では、EGFがもともとどんな物質なのか、化粧品にどんな目的で配合されているのか、そして化粧品として言えることと言えないことを整理します。
まず知っておきたいこと
- EGFは「上皮成長因子(Epidermal Growth Factor)」の略で、もともと私たちの体の中にある、53個のアミノ酸がつながった小さなたんぱく質です
- 化粧品に使われるEGFは、遺伝子組換えの技術で作られたもので、成分表示では「ヒト遺伝子組換オリゴペプチド-1」と書かれます。以前は「ヒトオリゴペプチド-1」と表示されていました
- 化粧品では、主に肌(頭皮)を整える成分として配合されます
- 化粧品は法律で「作用が緩和なもの」と定められており、言える効果は「肌を整える」「うるおいを与える」などの範囲に限られます。体の中でのEGFの働きが、そのまま化粧品の効果になるわけではありません
EGFはどんな成分か
体の中にあるたんぱく質の一種
EGFは、アメリカの生化学者スタンリー・コーエン博士が、マウスの唾液腺から見つけたたんぱく質です。博士はこの発見を含む「成長因子」の研究で、1986年にリタ・レーヴィ=モンタルチーニ博士とともにノーベル生理学・医学賞を受賞しました。
体の中のEGFは、細胞の表面にある「受容体」と呼ばれる受け皿に結びつき、細胞に信号を伝える役割を持つことが研究で分かっています。ただし、これは体の中でのEGFについての研究です。化粧品に配合されたEGFに同じ働きがあるという意味ではありません。
化粧品のEGFは遺伝子組換え技術で作られる
化粧品の原料として使われるEGFは、人の体から取り出したものではありません。人のEGFと同じ構造のたんぱく質を、微生物などを使った遺伝子組換えの技術で作ったものです。成分表示名の「ヒト遺伝子組換」は、この作り方を表しています。人の細胞や血液が入っているという意味ではありません。
化粧品のEGFで言えること・言えないこと
化粧品の効果は国が定めた範囲に限られる
日本では、化粧品・医薬部外品・医薬品は法律(薬機法)で分けられていて、それぞれ言える効果が違います。
- 化粧品:言える効果は、国が定めた56項目の範囲です。頭皮・髪に関するものでは「頭皮、毛髪をすこやかに保つ」「頭皮、毛髪にうるおいを与える」「毛髪にはり、こしを与える」などがあります
- 医薬部外品:国が承認した成分を決められた量で配合し、「育毛」「脱毛の予防」など承認された効果を表示できます
- 医薬品:病気の治療や予防を目的とし、医師の処方や薬剤師の説明のもとで使います
EGFを配合した化粧品の場合、言えるのは化粧品の範囲の効果です。「EGF配合だから髪が生える」「細胞が若返る」といった表現は、化粧品の範囲を超えています。
「成分の研究」と「商品の効果」は別のもの
成分そのものについて研究で分かっている働きと、その成分を配合した化粧品の効果は、分けて考える必要があります。研究の多くは、濃度や使い方が化粧品とは違う条件で行われています。広告などで成分の働きを強く説明して商品の効果のように見せている場合は、化粧品として言える範囲を超えていないかを確かめると安心です。
成分表示を見るときのポイント
- 表示名で探す:EGFは「ヒト遺伝子組換オリゴペプチド-1」と表示されます。古い商品では「ヒトオリゴペプチド-1」の場合もあります
- 表示の順番を知る:化粧品の全成分表示は、配合量の多い順に並びます。ただし配合量が1%以下の成分は順不同で書いてよいことになっています。EGFのように少量で配合される成分は、後ろの方に書かれるのが一般的です
- 配合目的が書かれているか:パッケージなどで特定の成分を目立たせて書くときは、その成分を何のために配合しているか(例:「整肌成分」「保湿成分」)を一緒に書くルールがあります
- 悩みが続くときは専門家へ:抜け毛や頭皮のかゆみ・赤みなどの悩みが続く場合は、化粧品だけで解決しようとせず、皮膚科で相談することも考えましょう
頭皮の状態を知ってからケアを選ぶ
どんな成分を選ぶかより先に、自分の頭皮がいまどんな状態かを知ることが、ホームケア選びの近道です。ヘッドスパ専門店ベルシュヴーでは、施術の前にマイクロスコープで頭皮を確認し、その状態をお客様と一緒に見ながら、毎日のケアについてもご相談いただけます。
